第13回日本クリティカルケア看護学会学術集会
学術集会長 佐藤冨美子
(東北大学大学院医学系研究科保健学専攻 教授)
このたび、会員ならびに関係者の皆様から多大なご支援・ご協力を頂いて、第13回日本クリティカルケア看護学会学術集会を、2017年6月10日(土)、11日(日)の2日間にわたり、仙台国際センターにおいて開催できますことを心より感謝申し上げます。
クリティカルケア看護はICU看護、救急看護、手術室看護、周術期看護をはじめとする急性期看護に限らず、急性期からの回復期、慢性期、終末期などのあらゆる場面や状況において極めて重篤な状態にある患者のケアを意味します。したがって、健康問題に直面している人々を支援する看護師は、常にクリティカルな要素を内包したアセスメントや実践能力が求められているという認識をもって研鑽していく必要があります。
高度なクリティカルケア看護を実践する看護師は、少子高齢多死社会の到来によって多様な課題に直面しています。救急現場には高齢患者や「末期」「看取り」の患者が増え、高度先進医療は人間が生と死の境界を決めなければならない状況や治療リスク、医原病を作りだし、医療費の抑制と在院日数の短縮をはじめとする医療改革は、安寧な生活の見通しが立たない状態で退院せざるをえない患者をうみだしています。これらは病院におけるクリティカルケア看護領域で完結できるものではありません。
そこで、「クリティカルな状況から命・生活をつなぐシームレスな看護」が課題解決の鍵になると考え、本学術集会のメインテーマとしました。クリティカルな状況から命・生活を誰が、どのように“つなぐ”のか、“つながる”ことによって何を創出するのかという視点から、クリティカルケア領域を超えて有意義な議論ができればと願っております。多くの皆様にご参加いただきますよう、ご案内申し上げます。